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国際交流基金アジアセンターは、アジアの人々の間に共感や
共生の心を育むため、様々な分野で文化交流事業を実施しています。

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Condition Report: Sindikat Campursari

インドネシア

国際交流基金アジアセンターは、東南アジアと日本のキュレーターの協働キュレーション・プロジェクト「Condition Report」を、東南アジア各国で開催します。
本プロジェクトは、東南アジアの4つの都市 ―ジャカルタ、クアラルンプール、マニラ、バンコク― での大型協働展と、14のローカル展で構成されています。
この「Sindikat Campursari」は、最初の協働展としてジャカルタで開催します。

*6つのキュラトリアルな視点から、9人/組のアーティスト/コレクティヴが参加します。
1:空間/建築的視点、2:実現可能性、3:参加型、4:メディア/テクノロジー、5:教育的、6:制度的持続可能性

イベント詳細

タイトル Condition Report: Sindikat Campursari シンディカット・チャンプルサリ
会期 2017年1月14日(土)~2月14日(火)
会場 グダン・サリナ・エコシステム
所在地:Jalan Pancoran Timur II No. 4, 
Jakarta Selatan 12780 Indonesia
開館時間:月曜~金曜…13:00-21:00、土曜・日曜…11:00-21:00、祝日閉館
入場 無料
主催 グダン・サリナ・エコシステム

国際交流基金アジアセンター

キュレーター アデ・ダルマワン/ルアンルパ代表(インドネシア)

飯田志保子/インディペンデント・キュレーター、東京藝術大学准教授(日本)

コ・キュレーター フー・ファンチョン/Run Amok Gallery キュレーター(マレーシア)

レー・トゥアン・ウエン/Nha San Collective キュレーター(ベトナム)

ウィタウィン・リーラーワナーチェイ/グラフィックデザイナー(タイ)

吉﨑和彦/東京都現代美術館学芸員(日本)

出品作家/

コレクティヴ

アルディ・グナワン(インドネシア)
アリ・シャリフディン(インドネシア)
ブカ・ワルン(インドネシア)*
ブク・ジャラナン(マレーシア)*
エリカ・エルナワン(インドネシア)
加藤翼(日本)
ラボ・タニヤ(インドネシア)*
ゼン・グループ(ベトナム)*
ワフト・ラボ(インドネシア)*

*はコレクティヴ

本プロジェクトの全体概要パンフレット(PDF/4.62MB)

[キュレーターからのメッセージ]

東南アジア、特に1998年のスハルト政権崩壊以降のインドネシアの現代美術シーンにおいて、グループを形成して共同で取り組む芸術活動が、その土地の環境や状況に対して実効力をもったものとして重要な役割を果たしてきた。本展「シンディカット・チャンプルサリ」は、集団で行う芸術実践を社会のより広範な文脈においてとらえ直すことを目指している。

展覧会タイトルにあるインドネシア語の「チャンプルサリ(Campursari)」は、ジャワ島で発展してきた音楽の一ジャンルの名称であり、字義的には「さまざまな要素の混交」を意味する。この音楽は主にランガム・ジャワやダンドゥットといった複数の現代音楽のジャンルが混ざり合ってできており、伝統的なジャワのガムランに加え、ギターやキーボードといった西洋の楽器によって編成される。チャンプルサリが示すこの混交の思想は、従来の展覧会や作品制作、そして複数の参加者と協働して行う実践のあり方について思索を深めるにあたり、多様な背景をもつグループや個人で活動するアーティストたちの融合を試みる本展のコンセプトをまさに言い表している。

展覧会を通して、集団で活動するアート・コレクティヴと個人で実践を行うアーティストたちが互いにどのように影響しあうのか、個々の芸術実践がこの枠組みの中でどのように発展しうるのか、また逆に個々の実践は全体にいかなる影響を及ぼすのか。本展はそうした集団と個の相互関係に着目する。ここでは展覧会それ自体がコラボレーションと実験のためのプラットフォームとなり、すべての参加作家およびグループは、ひとつの一時的な共同体のメンバーとみなされる。

参加者は各自のプロジェクトに取り組む一方、他の参加者と協働しながらこの展覧会自体の形成に携わり、地域のコミュニティや周囲の環境に関与したり働きかけたりするため、ジャカルタでの滞在制作を行う。展覧会オープン前の三週間の準備期間中、参加者はキュレーター・チームと共に制作費の管理や、会場となるグダン・サリナ・エコシステム内の展示スペースのデザインにも従事する。ここで新たに築かれる関係性や、一時的な社会的共生から生まれるアイデアが展覧会を形成していくことになる。それらは会期中のみならず、展覧会終了後にも発展し、継続されることすら望まれている。

会期中には集団による実践に関連するトークイベントやフォーラムの開催、とりわけそうした活動の発展やその社会政治的な影響に着目したトピックを予定している。

「シンディカット・チャンプルサリ」は、アート・コレクティヴの紹介や表象ではなく、展覧会自体が微視的経済学の形態をとり、コレクティヴという共同体のあり方の持続可能性を探求するものである。言い換えれば、間違いや失敗のリスクさえも許容しながら、アート・コレクティヴが今日どのように生き残ることが可能かを問う、オープン・エンデッドなプロジェクトであり、社会実験である。

(アデ・ダルマワン&飯田志保子)