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気になるラマダン中の過ごし方

赴任前、私の中の不安なことランキング1位は“ラマダン中の過ごし方”でした。配属先がムスリム色の強い州なので、自分が実際に生活しているイメージができなかったからです。それだけに今日、無事にハリラヤ(断食明け祝い)を迎えることができてホッとしています。
今回は色んな方から頂いたアドバイスとともに、楽しかったラマダンの思い出を共有します。

みんなでお祝いの集合写真
“ラマダン”とはイスラム教徒の断食月です。
約一ヶ月間、日の出から日没まで一切の飲食を断ち、貧しい人々の気持ちを考えます。
お祈りの時間と募金活動が普段より多く見られます。
ラマダンが明けると“ハリラヤ”を数日間家族と一緒に祝います。
ハリラヤは日本のお正月の感覚に近いです。

マレーシアは多民族国家であるため、配属される地域によってラマダンの過ごし方は異なりますが、共通して大切なのは“イスラム教徒への配慮”です。

まずラマダン中は「Puasa(断食しているの)?」とよく聞かれることがあるのですが、これは興味本位の質問であって、強制されることはありません。もちろん断食することは歓迎されますが、無理をすると周りに気を遣わせてしまうので健康第一です。相手によって「ちょっとだけ挑戦しています!」「安心してください!食べてます!」など“とにかく明るく”答えることが大切です。

また「無理はしない」というのは決して私たちだけでなく、イスラム教徒にとっても大切な心構えなのです。体調が優れない場合は最低限の飲食は摂ることができます。こうして小さい頃から徐々に断食に慣れていくため、誰も私たちがいきなり断食できるなんて思っていないそうです。私は毎日軽食を持参し、極力人目につかない場所で食事を摂っていました。

そしていくら親しい間柄であっても「大変ですね」「水は飲んだ方がいいのでは...」などの発言はNG。彼らにとってイスラムの教えを守ることはアイデンティティーなのです。関西出身の私も、ここはふざけないでキッチリ厳守。

こうして赴任前は不安だったラマダンが終わり、ハリラヤを迎えました(半分はスクールホリデーでしたが 笑)。彼らが一年で一番大切にしている時間を一緒に過ごせたことで、マレーシアにまた少し踏み込むことができた気がしています。この体験は帰国後も是非多くの人と共有したいものです。

ラマダン~ハリラヤまでのハイライト

手書きカードの写真
ラマダン中の授業は生徒と一緒に「カード・ラヤ(年賀状のようなもの)」を日本語で作成しました。
今はSNSで挨拶する時代なので、受け取った生徒や家族は大喜び。
新しい日本語旋風が巻き起こりました。
料理の写真
ラマダンで楽しかったこと、それは晩御飯!
日没後は町中が屋台だらけで、いつにも増して食のバリエーションは豊富です。
ムスリム色が強い地域ほど毎晩お祭り騒ぎ。
「ラマダンは太っちゃうよ~?」なんてムスリムジョークも飛んできます。
    写真
断食期間中みんなで一緒に晩御飯を食べる集いを“ブカプアサ”といいます。
他民族も招待される機会は多いため、交流の輪が広がる機会です。
バジュ・ムラユ(マレーの正装)を着て参加すると歓迎されます。
写真
日中は殆どのレストランが閉まるなか、ファーストフード店は大体営業しています。
ブカプアサのクラス会でもお世話になりました。
余談ですが、世界のKFCの中でマレーシアは一番美味しいと勝手に思ってます。
メニューも日本とは異なり、特にチキンライスは絶品です。
写真
事前にクアラルンプールで買い溜めた日本食は重宝しました。
都会からわざわざ配給してくれたパートナーズには頭が上がりません。
お祝いの記念写真
ハリラヤはカウンターパートの先生の実家を訪問。
みんなで一緒に教えを守りきったこと、 飲食ができること、
そして家族で過ごせることがハリラヤの喜びなのだと感じました。
お祝いの記念写真
学校でハリラヤのお祝い。
Selamat Hari Raya(ハリラヤおめでとうございます)!
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