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“いちばん”になれなくても

着任から3カ月が経ち、日本と異なる生活や言語にも慣れてきました。とはいえ、先生方が会話に織り交ぜる地方語のジャワ語は、耳慣れたインドネシア語と音も表記もまったくの別物。お手上げ状態ですが、覚えたジャワ語を話すと生徒が笑顔になってくれるので、少しでも使ってみようと必死です。文化や言語が多様にありながらも、統一の1言語で結ばれているインドネシア共和国。ここには、様々な言語を積極的に使って発展させていく目的で「Bulan Bahasa(ブランバハサ)」というイベント月間があります。

派遣地域の大学で10月に開催されたのは、日本語学科の学生が運営する文化祭でした。メインイベントは「日本語・日本文化チャンピオンシップ」。中部ジャワ州各地の高校から代表生徒が集まり、紙芝居やスピーチ、かなや漢字の書き取りなどを競います。また、茶道や書道といった伝統文化の体験ブースが教室に設けられました。

華道体験では講師を務めた日本語パートナーズの作品に、みんな興味津々です。

「Bulan Bahasa」にふさわしく、インドネシアの学生達が日本語の学習成果を披露したり、日本文化に親しんだりする絶好の機会。その様子を派遣校以外の場所でも見守れて嬉しかったです。

メインイベントの競技会は「lomba(ロンバ)」と呼ばれ、日本語に関するクイズ選手権もありました。

私は大学の先生と、スピーチコンテストの審査員を務めました。出場者は事前に5~7分のスピーチ原稿を準備して臨みます。内容や発表態度、文法と発音の正確さに加え、私からの質問への答え方が審査時の観点でした。

日本人の私を目の前にしての発表に加え、2つの質問の受け答えにどれほど緊張したことでしょうか。よく頑張りました。

スピーチのテーマは自由で、好きな食べ物やインドネシア文化の魅力、日本語の学習や家族・友達への思い、メディアリテラシーや街を清潔に保つことの大切さなど。誰が“いちばん”になってもおかしくないほどの熱弁を、日本語で披露してくれました。表彰の後はコンテストの順位に関わらず、互いの健闘をたたえて握手する姿がありました。
生徒の皆は自分が学ぶべきことの“いちばん”に、いつも日本語を挙げるとは限らないかもしれません。それでも彼らが日本に関心を持ってくれる喜びを糧に、交流を続けていきたいです。

折り紙のメダルを手に記念撮影。
ロンバに挑んだ全員に“いちばん”をあげたい気持ちになったのは、言うまでもありません。
Writer
インドネシア 中部ジャワ州
氏家 由希子さん

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