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人間がコントロールできる範囲

ジャカルタの名物は渋滞です。

隙間がないほどバイクと車で渋滞した道路の写真

元々自動車やバイクの数が多すぎることが原因ですが、渋滞解消策としての地下鉄やモノレール、高速道路の建設工事のために車線が減り、渋滞が悪化しています。

道路工事の横で渋滞している様子の写真

渋滞解消策の一つにトランス・ジャカルタという公共バスがあります。

トランス・ジャカルタの写真

このバスは専用車線を走るので渋滞とは無縁……のはずですが、実際にはその車線に一般車両が入り込んでしまい、やっぱりノロノロです。私はトランス・ジャカルタで、12kmの道のりに3時間掛かったことがあります。でも、そんなノロノロ運転のバスの中でも乗客はみんなとても平静です。イライラしたり焦っている人を見たことがありません。
インドネシアでは、予定通り行かないことが良くあります。飛行機の出発が遅れる、授業の開始が遅れる、お店が開店時刻に開かない……。でも、みんな平然としています。なぜこんなに寛大なのか、私は不思議でした。

実は、私は学校に遅刻したことがあります。いつも通っている道路がその日はなぜか閉鎖されていて、乗り合いバスが大きく迂回したという予想外のことが原因です。焦りながら学校に連絡し、着いて謝罪しましたが、同僚の先生がうまく対応してくれていて、問題はありませんでした。先生からは「大丈夫。大した問題ではありません(Tidak apa-apa)」と言われました。

どうやら、日本とインドネシアでは、人間がコントロールできる範囲についての考え方が違うようです。日本では、予定を守るために各人が十分な余裕時間を取るのが当たり前。そうすれば遅刻などしないはず、と考えます。でも、渋滞、大雨、洪水など、個人の力ではどうしようもないことが頻発するインドネシアでは、計画通りに行かないことが当たり前。だからその場の状況に合わせて、いる人が臨機応変に対応すれば良い、と考えているようです。
計画性を大事にする日本と、対応力を重視するインドネシア。お国柄は違いますね。

Writer
インドネシア ジャカルタ
藤本 研司さん

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