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経験者に聞く

タイでの交流が教えてくれた「ありのままの自分」でいることの心地よさ - タイ2期 木村麻貴さんインタビュー

タイ
木村 麻貴さん

自分から楽しもうとする気持ちがあれば活動も生活も充実する。

――生徒と親交を深めるための努力と挑戦は惜しまなかったとのことですが、日本語パートナーズに必要な姿勢や要素は何だと思いますか?

木村:積極性ですね。恐れずに何でもチャレンジしてみること。そして、何事も自分から楽しもうとする気持ちが大切だと思います。現地では、自分の思う通りにいかないことがほとんど。予定変更も多いです。日本人の感覚からすれば、イライラしたりムカッときたりすることもあります。赴任したばかりの頃は、日本と比較してタイの嫌な面を探すような毎日になりかけていました。でも、こんなことじゃせっかくの貴重な期間がもったいないと思い、その日に感動したことやタイのここが素敵だなと感じた部分を書き出すようにしていったんです。快く思えなかったら、視点を変えて楽しい部分を見つけようと努めました。そうしたほうが絶対、日本語パートナーズとしての活動も現地での生活も充実します。派遣された国を負の側面も含めてトータルに捉えた上で好きになれるから、地域の人たちと深い関係を築くことができるし、自分にとって第二の故郷と呼べる場所となる。そこが日本語パートナーズプログラムの魅力の一つでもありますね。

――実際、派遣先校の先生や地域の人々とは交流を深められましたか?

木村:はい! 先生方はみな温かくて、私に対して家族のように接してくれるんです。出かける時もいつも誘ってくれるので、多くの時間を先生方と一緒に過ごしていました。滞在中ずっと素晴らしい日々を送ることができたのは、ひとえに先生方のおかげだと思っています。本当に感謝してもしきれません。

 住んでいたアパートの管理人さんご夫婦も、とても温かく接してくれました。毎日のように一緒にご飯を食べて、団欒して。管理人さんはイサーン語のなまりが強く、私はイサーン語が未熟だったため、会話が成り立っていたとは言えませんが、表情とボディランゲージ、そして一緒に過ごす時間の中で自然と、心が通じ合えているのを感じることができました。

インタビューを受ける木村さんの写真

――日本語パートナーズを経験して自分は変わったと感じますか?

木村:自分では、たくましくなったなと思います。臨機応変に対応しなければならないことが多いタイで過ごすうちに、よく考えてからじゃないと行動できなかった私が、「何とかなる。何とかすればいい」と考えられるようになっていきました。

 よりポジティブになったとも感じています。中学、高校と、私はどちらかというとネガディブなタイプだったんです。大学に進学してからぐんと前向きになりましたが、タイで何事もプラスに捉えようと意識して行動したこともあって、さらにプラス思考になった気がします。

 私が一緒に過ごしたイサーン地方の人たちは、人前で自分を繕うようなことはしません。彼らはどこまでも素朴で、目の前にある生活を大切にしています。無理することなく「ありのままの自分」で生きていて、そういう人たちと一緒に時間を過ごすと、居心地がよくてとても楽なんです。気がつくと私も、「ありのままの自分」で過ごしていました。

 帰国して就職活動を始めた時に、日本のスタイルに合わせなければと、つい気持ちが揺らいだこともあります。でも、自分を見失いそうになっても「私は私」と気持ちを立て直すことができました。タイの生活を経験したからこそだと思っています。

日本を訪れる観光客や日本に滞在している外国の人たちをサポートしたい

――就職活動の話が出ましたが、日本語パートナーズに参加したことを自己PRに加えたのでしょうか。

木村:エントリーシートでも面接でも、日本語パートナーズの経験についてしっかり触れています。自分にとって大きな自信になっているので、熱くアピールしました。

――この春からどんな仕事をするのですか?

木村:宿泊温泉施設で働きます。私は日本語パートナーズに応募する以前から日本の魅力を世界に発信する仕事がしたいと考えていたんですが、活動を経て、やりたいことの輪郭がだんだんはっきりしてきました。まず自分が日本の文化についてもっと知識を深め、何か一つのジャンルでいいからプロフェッショナルになることが先だと、タイにいる間ずっと感じていたんです。その一歩として、日本旅館で働いて日本のおもてなし文化を学ぶことにしました。でも、そこで終わりじゃありません。セカンドキャリア、サードキャリアとして目指していることがあります。

――ぜひ聞きたいです!

木村:海外から日本を訪れる観光客や日本に滞在している外国の方たちをサポートする活動がしたいんです。中でもタイは私にとって特別な国であり、タイ人のお役に立ちたいという気持ちを強く持っています。派遣中に現地で実用タイ語検定の4級に合格し、帰国後も勉強を続けて3級を取得したので、習得したタイ語も生かせたらなと思っています。

 将来的には、タイに住むのもいいなって。タイに旅館をオープンさせて、日本の魅力を発信するのも夢の一つなんです。もしタイで働ける日が来たなら、大好きなイサーン地方に帰って少しでも役に立つことをしたいですね。

――どんどん夢が広がっているようですね。

木村:私はやっぱり欲張りなんでしょうか(笑)。

インタビューを終えた木村さんの写真
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