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見て聞いて経験して、日本に持ち帰るものを蓄えていきたい - “日本語パートナーズ” タイ5期 小成舞さん 4か月目の活動報告

タイ

“日本語パートナーズ”の応募要件は、年齢が20歳から69歳で、日本語を母語とし日本国籍を持っていること。そして、日常英会話レベルの英語力があり、約1か月間の派遣前研修に参加できること。日本語教育の経験や知識がなくても応募は可能です。実際、「日本語を教えた」「海外で活動した」といった経験のない人が“日本語パートナーズ”にチャレンジするケースは珍しくありません。そんな“日本語パートナーズ”の一人、現在タイのバンコクで活動中の小成 舞さんに去る8月、現地で話を聞きました。

  • 文:斉藤さゆり

先生の指導方針を聞いて理解したうえで、自分の考えを丁寧に伝える

――大学を卒業後、高校で英語の非常勤講師として教壇に立っていた小成さん。学生時代に留学の経験はなく、海外旅行も一度もしたことがないそうです。“日本語パートナーズ”に応募した動機は何だったのでしょう。

「英語教育に携わる中で、海外に出て見聞を広めたいと強く思ったことがそもそものきっかけです。私は海外に行ったことがないので、授業内で世界の歴史や文化について話す時に、必然的に紙媒体で得た情報を生徒に伝えることになります。自分の渡航経験を交えながら世界の歴史や文化を伝えられれば、生徒の目をより海外に向けられるような授業ができるのではないか。そう考えて『必ず海外に行こう』と心に決めていました。

単に海外に行くのではなく、私としては何とか長期間、教育の現場に関われたらなと。だからTwitterで“日本語パートナーズ”の 募集情報を目にした時、私にとって理想的なプログラムだと思い、応募することにしました」


――その結果、小成さんは“日本語パートナーズ”タイ5期の一人として、2017年5月から2018年3月までの10か月間、バンコクで活動することに。派遣先は市の西部に位置するタリンチャン区の住宅街にある進学校、ポーティサーンピッタヤーゴン学校です。

「この学校で日本語を履修している生徒は、全学年合わせて113名です。各学年、説明が少なく練習が多い“うさぎクラス”と説明も練習も多い“かめクラス”の2クラスに分けて授業を行っています。日本語の先生は3名で、ベテランのトゥック先生が一人で3年生のかめクラスを教え、それ以外のクラスを20代のワン先生とポーイ先生が受け持っています。私は月曜から金曜まで計18コマの授業に入っています」

――小成さんは日本で英語の講師として語学教育に携わってきましたが、日本語教育の経験はありません。また、“日本語パートナーズ”はあくまでアシスタントであり、教員とは立場も役割も違います。

「日本で語学教育の現場を経験してきたので、何をすれば授業がスムーズに進むか、だいたい予測はつきます。でも、日本語の教授法を学んでいないため、生徒から文法に関する質問を受けた時にうまく説明できないことがありました。そういう場合は素直に、ワン先生に助けを求めます」

――日本で講師をしていたからこそ気づくこと、感じることもやはりあるようです。

「単語の小テストに20分も使うのはどうなのかな、と思いました。10分で提出して雑談する生徒もいれば、単語がわからなくて寝ている生徒もいて、時間がもったいない気がしたんです。タイと日本の教育は違うのだから順応するべきだろうかと葛藤もしましたが、先生も生徒が単語を覚えないことを問題視していたので、『小テストの時間をもう少し短縮したほうが、生徒たちは集中するんじゃないでしょうか』と提案してみました。

やっぱり、進言する時は気を遣いますね。先生には先生の教え方があるでしょうし。だから、まず指導方針を詳しくお聞きして、そのうえで自分の意図が正確に伝わるようにわかりやすい日本語で丁寧に説明しました。先生も私の考えを理解しようと粘り強く対応してくださるので、本当にありがたいです」


授業の打ち合わせをする小成さんとワン先生。
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