ASIA center | JAPAN FOUNDATION

国際交流基金アジアセンターは、アジアの人々の間に共感や
共生の心を育むため、様々な分野で文化交流事業を実施しています。

MENU

「タイ映画は、消化にいい!」 タイ人タレント ブンシリさんに聞く、タイ映画の魅力!

Interview / CROSSCUT ASIA

第1弾にタイ映画を選んでくれてありがとうございます

calture_bunshiri_01

 

――今年スタートする「CROSSCUT ASIA」では、第1弾として、タイ映画の魅力に迫る大特集となっています。

ブンシリ:第1弾としてタイ映画が選ばれたことが、タイ人として、本当に誇らしいです。今回ピックアップされたタイ映画の中には、ラブストーリーありホラーありで、涙ぼろぼろの映画も入っています。タイらしい、タイの日常を切り取ったようなドキュメンタリー映画も入っているので、日本人に何か伝わるんじゃないかな。

――取り上げているタイ映画は全部で8本ですね。

ブンシリ:いろいろなジャンルの映画が8本も、しかも海外(日本)で一度に上映されるっていうのは、もう本当に珍しいケースだと思うし、画期的な出来事っていっても過言ではないかなって僕は思うんですね。しかもね、とーってもいい映画が選ばれてるんですよ。タイの人なら誰でも知っている名作や、これぞタイ映画といったようなものなど、これはすばらしい企画ですね。

ブンシリがオススメするタイ映画はこれだ!

――ここ最近タイでヒットした映画ばかりの8本ですが、見どころを教えてください。

『メナムの残照(2013年版)』

タイで「マイ・ネーム・イズ 小堀(コボリ)」と言うとウケる!

tiff06

©2013/M THIRTY NINE CO.,LTD

ブンシリ:僕の一押しは、やっぱり『メナムの残照(2013年版)』ですね。映画だけでも4回もリメイクされているし、ドラマにも何度もなっているし、舞台にもなっているので。日本の映画で言うと『男はつらいよ』くらいに有名な映画ですね。 「コボリ」という主人公の名字は、タイでは有名な日本人の名字です。例えば日本人の観光客がタイに旅行中に、名前を聞かれたら「私はコボリです」と言えば、「キャーキャーキャー」って、ネタ?みたいになります(笑)。これはもうお決まりのやり取りで、もし「コボリ」と言ったら、言われた方は「私はアンスマリン(注:映画のヒロインの名前)」と絶対答えますね! 日本に住んでいてタイに興味がある人、タイに行こうとする人はぜひ観ていただけたら、友達が作りやすいと思います。

この映画のおかげで、タイ人は日本人が好きなんです。僕が出演している「ネプ&イモトの世界番付」という番組の中のアンケートでも、「日本人の男性を一番好きな国」「日本人の女性を一番好きな国」は、なんと男女ともタイが1位でした! この映画の中の「コボリ」はジェントルマンだし、すっごくカッコイイし、この映画が何度もリメイクされて、何回も何回も観ることで、日本に対するいいイメージができるんですよ。日本とタイの歴史において悲しい思い出がないわけではないのですが、この映画のおかげで、マイナスの考えがなくなっていると思います。

――コボリ役のナデートさんですが、イケメンですね。

ブンシリ:主演のナデートとは、去年日本のドラマ撮影で来た時に、一緒に遊びました。すごく良い方なので、個人的にも推しますね(笑)。この『メナムの残照(2013年版)』は、いつも「抱かれたい男」が主演することになっているので、今回のナデートも結構カッコイイんですよ。日本人の女性の方々の、ハートを奪っちゃいそうな気がします!

僕はこの映画の主題歌も聴いてほしいです。主題歌に日本語バージョンもあって、日本語が分かる僕が聴いて、すっごくいい歌なんですね。映画館でもみなさんに聴いてもらえたら、うれしいです。今回日本語バージョンを歌っている方も日本人ですし、出演している俳優さんに日本人もいますし、両国の文化交流という意味でも、今回のこの映画が選ばれたことはぴったりなんですね。

『タン・ウォン~願掛けのダンス』

タイっぽさを知るにはこれ!

tiff07

©Song Sound Production

ブンシリ:タイをよく知りたいならこれ! この映画はもしかしたら、外国人には分からない部分があるかもしれないです。タイには仏教徒が多いのですが、見えないものや神様に対する信仰がとても強いのです。ここがわからないと「どうして約束を果たすためにそこまでやらないといけないの?」と思うかもしれない。タイでは、「願掛け」をして願いがかなったら、神様との約束を果たさなきゃいけないと考えられています。この映画も「願いがかなったら、ダンスを踊る」と約束した4人が踊るという内容ですね。僕も神様を信じているので、ほら! (ブンシリさんのスマホの待ち受け画面には、ガネーシャの画像が!)

注:タイではガネーシャが祀られている寺院もあり、芸能関連の仕事をしている人はガネーシャを信仰しているとブンシリさんに教えてもらいました。

人間は心が弱いですよね。だから、信じることで、道をまっすぐに歩けるんじゃないかなって僕は思うんですよ。一生懸命に頑張った時、苦しい時に、願掛けをします。僕も日本に来る時、願掛けをしました。そして「日本に来られたら、タイの人のために役に立つことをします」と約束しました。だから、芸能界に入って、タイのことを紹介できることはすごく感謝していますし、僕の活動で、タイのホテルの人や、トゥクトゥク(注:タイの三輪タクシー)の人、お土産屋さんの役に立てていたらうれしいと思います。

この映画をきっかけに、タイ人の考え方や、いろいろな考え方があることに気づいてもらえるといいですね。

『タイムライン』

お母さんと一緒に観てほしい!

tiff04

© 2014 SAHAMONGKOLFILM INTERNATIONAL CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED
協力:アジアフォーカス・福岡国際映画祭

ブンシリ:家族で観に行くのなら、『タイムライン』がオススメですね。この映画は、母と息子の家族愛がテーマなので、特にお母さんと一緒に観るのがいいと思います。映画の中では、自分の子どものために、つらいことも乗り越えて頑張ったお母さんの愛に、最後に息子が気づいたんですけども、日本の男性はなかなか言葉でお母さんに感謝を伝えられないじゃないですか。そんな時に、一緒にこの映画を観ることで、言葉にしなくても、お母さんは息子の感謝の気持ちを感じると思うんですよね。

『稲の歌』

タイの原風景を感じて!

tiff02

©Mosquito Films Distribution

ブンシリ:タイらしさといえば『稲の歌』も、タイの農村のドキュメンタリー映画なのでオススメです。もうすごい、まさにタイの農業の方々が生活している出来事がそのまま描かれています。農村の日常と暮らしに関わる米、稲に対して、僕も観て感じるところがありました。こういった映画は、本当にもう、なかなか見られないと思いますよ。こういうドキュメンタリーは、ぜひみんなに見てほしいです。 ここで描かれている「水牛レース」や「ロケット祭り(注:打ち上げ花火祭り)」は、実際も映画のようにダイナミックです。花火をロケットみたいに、空に打ち上げるんですね。空に打ち上げることによって、神様が雨を降らせてくれると考えているんですよ。日本の祭りでいうと、阿波踊りのように有名なお祭りです。

『ラスト・サマー』

タイ人はホラーがお好き!

tiff05

 

ブンシリ:タイでは、ホラー映画やお化けの話はとてもヒットしていますね。映画だけでなく、テレビでも、ラジオでも毎週番組が放送されているほどです。テレビでは廃虚になったところへ行って、お化けを感じる人が「見えます」とか言って、そのお化けが出る理由やストーリーを解説したりして、視聴率がめちゃいいんですよ。ラジオでは「僕の友達がお化けを見たと言っています」と電話で話す番組だったり。いろんなパターンがありますね。 特に映画は、1人で観るのはとても怖い。怖いから誰かと観たい。みんなで一緒に観ようということになって、大勢で観に行くんですね。だから大ヒットします(笑)。みんなで行って、一緒に怖がるんです。

『ラスト・サマー』は、日本の映画でいえば『リング』や『らせん』みたいですね。ストーリーが分かりやすく、タイの若者の様子もよく分かると思います。 他にも、『先生の日記』では、タイの学校の事情がよくわかるし、この映画に出ているチャーマーン・ブンヤサックはタイで大人気の演技派女優なんですね。『コンクリートの雲』では主演男優のアナンダ・エヴェリンハムの演技がすごくうまいですよ。『36のシーン』の監督は、日本でずっと上映したいと思っていて、映画のポスターを作るときに、日本語バージョンも作ったそうですよ。

タイでは映画館での一体感がハンパない! みんなが一緒に楽しむんです

――タイの映画館事情や、映画の楽しみ方などはいかがでしょうか。

ブンシリ:タイの映画館はとっても広いんですよ。そして、みんなで一緒に観て、感動を味わうんですね。一緒に観るんだから、我慢しなくていいんですよ。泣きたい時は泣いて、笑いたい時は笑って、それを楽しむんですよ。泣くシーンで、人の鼻水をすする音にもってかれて自分も泣く(笑)。そんな一体感が会場にはあります。

タイの映画って、分かりやすいんです。盛り上げるところは「これでもか!」っていうくらいに盛り上げるし。観終わって「なんだかモヤモヤするな」といったことはあまりありません。タイ映画は消化にいいんです。とっつきやすいのが魅力です。

全8本中、6本は観てほしいな!(笑) 分からなかったら僕のFacebookで聞いて!

ブンシリ:今回、TIFFで初めて「CROSSCUT ASIA」が企画されて、そこでタイの映画の大特集をしてくれます。まあ、僕の国は発展途上で、知られていないところがまだたくさんあります。だけど、この映画がきっかけで、みんながタイのことをもっともっと知りたくなるようになったらいいなと僕は思うんですね。なので、8本の中で少なくとも6本は観て!(笑)それが難しくても、1、2本ぐらいは観てほしいです。

そして、タイ映画を観て「!?」と思ったことは、Facebookのコメントなどで僕に聞いてほしいな!