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てがみをありがとう

ジャワ島で迎えた2018年。新年と言えば、日本ならではの“手紙”が行き交いますね。知人や友人からの年賀状、新年の挨拶で心が温まります。今年は「ゆきせんせい、あけましておめでとう」と揃った生徒からの挨拶に、元気をもらった年明けでした。
昨年10月、日本を初めて訪れた私のCP(カウンターパート)の先生は、街角でポストの多さに驚いたそうです。その発見を機に、私たちは12年生(高校3年生)の授業で日本とインドネシアの郵便について考えました。


「Kantor Pos」(インドネシアの郵便局)はオレンジ色がイメージカラーです。

「皆さんは“手紙”を書きますか。」問いかけると「書きません」と言わんばかりに、困り顔の笑みを浮かべる生徒がほとんど。ポストのありかを知らない子もいます。SNSは頻繁に使っても、郵便にはあまり馴染みがない様子です。それでも、私宛の手紙や漢字が並ぶ封筒の宛名、日本の切手をまじまじと眺めた彼女らに続けて聞きました。

「手紙を書くことのいいことは、何ですか。」すると「絵や文が上手くかけるようになる」「返事が来るまで我慢の練習になる」「友達と仲良くなれる」など、この質問には全てのクラスで答えが返って来ました。素敵な意見に頷いた後、生徒に提案しました。
日本語で手紙を書きましょう。彼らから驚きと共に「日本人と友達になれる」と歓声が沸きました。初めての日本語の手紙は宮城県仙台市内2校の高校3年生と、私の大学の友人らが受け取ってくれることになりました。


一生懸命に清書中。実は受け取る相手の性別が、気になって仕方ない様子でした。

自己紹介、趣味、おすすめのインドネシア料理、住んでいる町のこと。分からない言葉や漢字を調べては、自分の字で丁寧に書き上げました。


まだ会ったことのない友達へ、手紙が届きますように。

日本に届くのは普通郵便で2~3週間後。待つこと約1か月、返事が届きました。


1文字ずつ声に出し、意味が分かると表情が明るくなる生徒。感慨深かったのか、手紙をさすりなかなか読み始めない生徒。喜び方も様々でした。

いつも手元にある携帯電話、この時間は辞書として活用です。

届いた返事を手に。新年の“手紙”として年賀状を紹介できました。

差出人に代わり手紙を渡した時に返ってきた「ありがとう」。この声が聞ける日々も残りわずかです。「手紙はおもしろい」「返事をもらって日本語にもっと興味が湧いた」そう言って、CPや生徒が笑いかけてくれた瞬間、これからもインドネシアと繋がっていられる気がしました。

Writer
インドネシア 中部ジャワ州
氏家 由希子さん

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