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経験者に聞く

“第二の故郷”インドネシアと日本の懸け橋になりたい – インドネシア8期 藤岡良輔さんインタビュー

インドネシア
藤岡 良輔さん

日本語パートナーズの活動で、インドネシアが“第二の故郷”に

――日本語パートナーズの活動で、心がけていたことはありましたか?

藤岡:僕自身、日本語を専門的に教えられるわけではないのですが、大学では「第二言語習得理論」という分野を専攻していました。語学学習とモチベーションの関係を学んでいたのですが、モチベーションを上げるには教師の要因がとても大きいんです。なので、「まず自分自身が楽しんでいないと」と思いながら活動していました。楽しそうに教える先生の授業って、聞いている側も楽しいじゃないですか。だから、自分がまず楽しんで生徒に話しかけるなど、前向きな態度や姿勢で授業に臨むように心がけていましたね。

書道体験での写真
書道体験の授業で思い思いの日本語を書く生徒たち

――日本語パートナーズの活動を通じて、藤岡さん自身が改めて日本の良さに気づいたことはありましたか?

藤岡:僕は漫画やアニメが大好きで、世界でも人気だというのも知ってはいましたが、自分にとっては日常であまり実感が湧かなかったんです。でも、現地の生徒たちはすごく熱狂的で、漫画やアニメを見て日本語を喋れるようになったという人もいました。アニメ以外でも「日本の文化が大好き」「好き過ぎて日本に行きたい」とまで言ってくれる人もいて、日本文化はやっぱり素晴らしいなと改めて気づきました。

――改めて振り返ってみて、日本語パートナーズを選んでよかったと思うことはどんなことですか?

藤岡:たくさんありますが、一番は、自分にとって“第二の故郷”と言える場所ができたことです。地元・愛媛に加えてもうひとつ、インドネシアという大切な場所ができたのは、自分にとって大きな財産になっています。

動画配信を通じて、日本とインドネシアの懸け橋になりたい

――派遣期間が終了し帰国した後、具体的に活動されていることはありますか?

藤岡:YouTubeで、日本とインドネシアの魅力を発信しています。インドネシアで暮らしていると、なかなか日本について生の声を聞く機会がないと感じたので、インドネシアで生活した経験のある僕らが、インドネシアや日本のことをリアルに発信できたらと思って始めました。

――藤岡さんは就職されていますが、仕事をしながら動画配信もやるのは大変ですよね。

藤岡:現地にいる時に、友人と一緒にインドネシアで何本か動画を撮って配信を始めたのですが、友人が離れたところに住んでいるので、帰国後はなかなか時間が合わなくなってしまって。でも、やっぱりインドネシアが好きで、いつかインドネシアで働きたい、住みたいという思いは変わらなかったんです。インドネシアへの熱が全然冷めていないし、もっとしっかりやりたいという気持ちも高まっていたので、友人に「もう一回、動画配信を頑張ろう」と声をかけて、配信を再開しました。

――日本語を教えたりする動画もあるんでしょうか?

藤岡:そうですね。ただ、僕たちは日本語教育について専門的に学んでいるわけではないので、若者言葉やインドネシア語と日本語で発音は一緒でも意味が全然違うものといった、興味を持ってもらいやすいコンテンツを発信するようにしています。

――動画配信の活動について、今後の目標を聞かせてください。

藤岡:インドネシアの人が「日本といえば」と聞かれた時、僕たちの名前をあげてくれるのが理想ですね。僕たちの動画を見て「日本に行きたい」「インドネシアに行きたい」と思ってくれる人が増えて、日本とインドネシアをつなぐ懸け橋となる活動ができたら良いなと思っています。

一緒に動画配信している友人たちとの写真
現地での活動を活かして動画を配信

――帰国後も派遣先の生徒たちと連絡を取っていますか?

藤岡:SNSで連絡を取り合うことが多いですね。食べたご飯の写真を載せると「先生、美味しそうですね」とコメントが来たり、そういうたわいもない内容ですけど。関わりは今も変わらずに持っているという感じですね。

――現在(2020年6月取材時点)は新型コロナウイルス感染症の影響で、対面でのコミュニケーションが難しい状況ですしね。

藤岡:状況が落ち着いたら、インドネシアに行って生徒たちに会いたいなとすごく思います。でも、日本とインドネシアはもともと距離が離れているので、コロナ禍以前もオンラインでやり取りをしていましたし、先日、派遣校の先生や後任者の日本語パートナーズとテレビ通話で話した時も、「以前と変わらずにコミュニケーションは取れる」と感じました。

また、今回のコロナ禍が良いきっかけになったという面もありますね。動画を撮る時、以前は友人と距離が離れているから難しいと思っていたんですが、今はこういう環境だからこそ、オンラインなど違ったやり方で以前よりもコミュニケーションを取ることができるんだと感じました。

現地の学生との写真
現地で築いた絆は今も変わらず
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