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経験者に聞く

“日本語パートナーズ”経験者の声 相手を理解することを諦めない

タイ
繪野澤 采子さん

「私が日本へ帰ったあと、生徒たちはどうなってしまうのだろう。これからもずっと、日本と日本語を好きでいてくれるかな」 半年間の活動を経て、「親バカ」ならぬ「先生バカ」になってしまった私は、大切な生徒たちの卒業までを見届けられないことが残念で、後ろ髪をひかれる思いでした。しかし、後任の“日本語パートナーズ”の方々が私の意志を引き継いでくれるだろうと信じて、任地を後にしました。 日本人がほとんどいないタイ北部での活動は、時には大変なこともありました。手探りで行った活動の中で、いつも私が意識していたことを三つ紹介します。「私に“日本語パートナーズ”が務まるのかしら……」と応募をためらっている方の背中を押すことができればと思います。

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イサーン地方の民族衣装で学校行事に参加しました

 

1.相手を理解することを諦めない

“日本語パートナーズ”は、現地の日本語教師とペアを組んでチームティーチングを行います。そのため、日本語教師との信頼関係は非常に大切です。 私と日本語の先生は、仲が良いことで有名でした。 私たちが良い関係を築くことができた理由は、「お互いに納得がいくまで、徹底的に話し合うことを続けた」という点が大きいように思います。私たちの共通言語は日本語です。最初は、日本語でコミュニケーションをとることが難しい場面も多くありました。しかし、私たちは、自分の言葉で相手に気持ちを伝えることから逃げませんでした。この点は、日本語の先生にも感謝しています。粘り強く話し合うことを続けたことは、お互いを深く理解することにつながったと感じています。

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スピーチコンテストで一位を受賞した生徒と一緒に

 

2.何が起きても笑ってやりすごす

任地では、小さなことから大きなことまで、日本の常識では考えられないようなことが頻繁に起こります。 例えば、こんなことがありました。朝、いつもどおり学校へ行くと、職員室に誰もいません。急な会議でもあったのだろうかと30分ほど待ちましたが、いよいよ不安になって日本語の先生に電話をしました。すると、「タイ人は寒い日は起きられない。あなたも家に帰って二度寝してきたら?」と言うのです。 寒くて布団から出られないという理由で遅刻するのは日本人の感覚では許されないことですが、タイでは「マイペンライ(タイ語で大丈夫の意)」です。そこで、「だらしがない」と怒るのではなく、「寒がりに優しい国だなあ」と笑い飛ばせる寛容さがタイでは求められます。

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生徒たちが、誕生日をお祝いしてくれました!

 

3.生徒のために頑張る

タイでは、急な予定変更も日常茶飯事です。先生もすべての予定を把握しているわけではないので、短期間での教材作成やテスト作りに追われることも多々ありました。 しかし、生徒の反応を想像すると、「限られた時間の中でも、私にしかできない最高の授業を作ろう」という元気がわいてくるのです。私の派遣されたイサーン地方の人々の生活は苦しく、生徒たちは、日本の企業に就職して安定した収入を得て、家族が幸せになることを目標に熱心に日本語を学んでいました。そんな生徒のために頑張るのだと思えば、たいていのことは乗り越えることができます。

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日本の文化を紹介している授業の様子

 

  “日本語パートナーズ”として派遣されたことで、任地の学校では日本語クラスの環境改善へつながりました。その他の地域でも、日本語クラスに参加する生徒の数の増加、授業数の増加など“日本語パートナーズ”の派遣による成果が出ています。 この“日本語パートナーズ”事業への応募には、特別なスキルも経験も必要ありません。いつでも笑顔で、好奇心をもって、誠実に生徒と向き合う姿勢で取り組めば大丈夫です。ぜひ、多くの方に参加していただければと思います。

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最後は、生徒たちからお花のサプライズが!

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