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「やさしい日本語の本」をたくさん読もう!

インドネシア10期の徳永由佳です。ジャワ島のまん中あたりにあるスコハルジョという町で3月まで活動しました。赴任校はスコハルジョ国立第1高校(SMAN1Sukoharjo)でした。

外国語を勉強したら、その外国語で書かれた文章を読んでみたくなりますね。でも、インドネシアでは日本語で書かれた本や雑誌はなかなか見つからないし、あっても値段が高い。インターネット上なら日本語を使ったウェブサイトが無数にあって、無料で読めます。けれども、ひらがな・カタカナ・漢字という3種類の文字を使う日本語の文章は、日本語の先生でもとても難しく感じられるとか。でもやっぱり、日本語の文章がどんどんすらすら読めたら楽しいだろうなあ……。

お任せください!こんな方法はいかがでしょう?

先生が「多読」を紹介しているときの写真
カウンターパートの先生が「多読」を紹介(これは日本語教師会で)。私は「多読」用の読み物を用意しました

赴任校の10年生(高1)言語系クラスと地区の高校日本語教師会で「日本語多読」を紹介する機会をいただきました。「多読(たどく)」というのは、やさしい本から、辞書を使わないで、楽しくたくさん読んで日本語を身につけていく方法です。

紹介した読み物の写真
紹介した読み物の例です。NPO多言語多読が制作・監修した市販の読み物(左)とウェブサイトから無料でダウンロードして印刷し、製本した読み物(右)

この方法にはルールが4つあります。

1.やさしいレベルから読む
2.辞書を引かないで読む
3.わからないところは飛ばして読む
4.進まなくなったら、ほかの本を読む

「多読」の目的とこの4つのルールを、まずカウンターパートの先生にインドネシア語でていねいに説明してもらいます。それから、生徒や日本語の先生に読み物を自由に手に取ってもらいました。

ワークショップ中の写真
地区の日本語教師会で「多読」のワークショップ。日本語の先生は読み物のレベルをどんどん上げていきます。「私たちが楽しいんだから、生徒も楽しめるはず。学校の授業にも取り入れたい」
本の内容を楽しむ女性の写真
「ふふふ。お父さん、怒っていますね~」内容を楽しむことが大切です
縦書きの本を読む女性の写真
「う~ん、縦書きは、まだ慣れません……」まず、横書きのものをたくさん読んでくださいね
読んだ本について話す女性の写真
「これは悲しい話です」読んだものについて、いろいろ話したくなるようです
本を手に取る生徒達の写真
10年生(高1)、ひらがなを覚えたら「多読」が始められます。まずはレベル0から「さあ、どうぞ!」次々に手が伸びてきます
集中して本を読んでいる生徒達の写真
一人で集中して読む
クラスメイトとにぎやかに本を読む生徒の写真
クラスメイトとにぎやかに読む。挿絵や写真を見て、文字を見て…意味がわかると歓声が上がります
50音表を見ながら本を読む生徒の写真
ときには50音表を見ながら読む
朗読音声を聞きながら本を読む生徒の写真
文字が苦手な人は、朗読音声を聞きながら読み進めることもできます
貸しだした本の記録の写真
10年生には貸出もしました。記録ノートは私の宝物です

「多読」は日本語が楽しく学び続けられる、その効果的な方法の1つです。「多読」がインドネシアの学校や社会に広がっていくことを願って、これからもずっと関心を寄せ続けていきたいと思います。

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